リチャード
3月31日にタイさんがアメリカに帰国し、入れ替わりにイギリスからリチャードがやってきた。
リチャードは、同居人のロンドン留学時代のホームスティ先の主人だ。ケンブリッチのトリニティカレッジを出てすごいインテリなのだそうだ。私はロンドンで奥さんのスーザンにはお会いしたが、リチャードには生憎会えなかった。、リチャードの歓迎会が新宿で行なわれた。リチャード宅の日本人滞在者は大学の関係者が多い。そんな事情もあり、主宰者も大学教員、出席者も大学関係者が多い。なんでも、リチャードは日本中の興味の赴く場所を2年がかりで調べ上げ、約一ヶ月近い滞在期間のスケジュールを全部自分で作成したのだという。
その日までに、すでに「浅草・築地」は見学が終り、歓迎会主宰者のY氏は朝5時からの築地見学にも同行したのだという。この後、関西方面でも歓迎会が開かれ、最後には大学で日本滞在の感想を講演するのだそうだ。
もう、驚くばかりのスケジュールである。
しかし、しかし、初対面のリチャードにお会いしたら、かなり、ほとんど納得した。
私の印象では、彼はケンブリッチ出のインテリというより、海賊キャプテンクックのような男だった。
服装も出席者のなかで誰よりもラフだったし、笑顔も晴れやかで気取りがない。
会話も当意即妙、声も良い響きのバスで、「紳士の国」からというより、「自由の国」から潮風を浴びてやってきた人という感じであった。
タイさんからは、桜の満開が見れなくて残念とメールが届いた。それから、あまりにも慌しい帰国だったので富士山頂上に登ったときの記念の杖を忘れたのがよほど残念だったのか、杖に関してのメールが2通も届いた。追跡したのだが、杖はすでに廃品業者の手を離れどこかに行ってしまった。
「もう一度日本に来て、富士山の頂上を目指してください!」と返信メールを送った。
満開の桜の向こうに、モノクロームの世界がうごめいている、そんな一週間であった。
4月7日
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