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明確なる意志

様々な情報が飛び交うなかで、日々起ってくることの実態が見失われている。近代といわれている時代のただなかに生を受けて、何が近代なのかということも不鮮明である。歴史を時間軸のみで計れば私たちは最先端の時代を生きている。
しかし、昨今の時代状況を眺めれば、最先端に生きていることの意味を問い直さざるを得ないだろう。人々の意識はバラバラである。石器時代の意識のまま生きている人もいれば、中世の寒村で暮す人々の意識のままで生きている人もいる。総じてこの地球上で暮す人々の意識は、これだけの歴史を経ても、その情報量にも関らず、そう変っていないように思える。しかし、その間にも世界の時計は秒針を進め、あらゆるものを内に抱えつつ人々の暮す世界それ自体の意味を問い続ける。
私は、昔、考えたことがある。「わたしがわたしでなく、わたしがあなたであり、あなたがわたしである」ということを、そして、このごろそのことをふと思い出す。許し、祈拝するという行為は、宗教者の考え出した単なる規範なのかと・・・・・・。

昨日、近所の駐車場で、昨年春生まれた野良猫がおびただしい血を吐いて死んでいた。
それは、冬の陽だまりのなかで「あなたと、わたし」が作り上げている、この社会のどうしょうもなく醜悪な腐臭を静かに抱え込んだまま、ただ死に、ただ横たわっていた。

そう、「明確なる意志」を持っているのは私という個人なのだ。
その意志の強靭さを、これから伝えていかなくては・・・・・・チビという野良猫が、ただ死んだ光景を見て、世界の時間が私の背中をそっと押した気がしたから・・・・・・。

2009年2月13日

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