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『猫を抱いて象と泳ぐ』

もう一度、J・S・ミルを読もうと思った後、こんどは、マルクスもケインズも、もう一度おさらいしたほうがよいのではという、欲張りな気持が芽生えてきた。だいたい様々な哲学書や経済学の本を読んだのは、もう30年ほど前のことである。そのころの私なりの感想を、現時点の状況に照らし合わせて、検証してみたいという気持ちもあった。

そんなことで、マルクスとケインズの本を図書館で借りてきたのだが、その翌日、小川洋子さんの『猫を抱いて象と泳ぐ』(文藝春秋)が本屋に平積みになっていたので思わず購入してしまった。

その日から、マルクスもケインズもほっぽりぱなしで、私はこの小説に夢中になった。

もう、頭の中全部が、リトル・アリョーヒンの世界に移行して、現実の時間は消えてしまった。

結論だけ言おう。この小説は単に小川洋子さんの最高傑作というだけでなく、この数十年、日本文学といわれている雑多な作品の中でも、文句なしの最高傑作である。猫と、象と、好きな動物ばかりがタイトルに入っていたという理由だけで手にとったのが・・・・・・大当たり!であった。

それからは、もうマルクスもケインズもどうでもよいという気分で、私の頭は完全に別の世界に移行してしまった。

2009年1月25日

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